

UI運動が育んだ、若き営業マンの一歩
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「5個でも7個でも美しく」——はじまりは一つの相談から
「これなら、5個でも7個でも、きれいに収まりますね」
YEデジタルのご担当者の声には、思わず笑みがこぼれていました。お客様にとっても、そして提案者にとっても、“理想の贈答箱”が完成した瞬間でした。
今年の「UEMURA INNOVATION AWARD 営業拡販表彰・社長賞」に選ばれたのは、クラウドサービスやIoTソリューションでお客様の業務効率化を支援する株式会社YEデジタル様のために設計・製造された、企業オリジナルの贈答用和菓子箱。ロゴ入りでありながら控えめで上品、そして贈るシーンに合わせて5個入・7個入と兼用できる、柔軟で高機能な構造が特徴です。
この箱の企画・提案を行ったのが、営業部のS氏。入社から数年、すでに顧客対応を一通り任される信頼ある若手で、社内では「まじめで一生懸命、でもちょっと天然」と言われている存在です。学生時代は野球一筋、礼儀正しく、いつも真剣な表情で顧客に向き合う一方、ふとしたところでちょっぴりおっちょこちょいな姿を見せ、先輩たちに愛されるタイプ。そんなS氏の“野球部魂”が、このプロジェクトで見事に開花することとなりました。

可動式仕切り——お客様の「柔軟に使いたい」に応える発想
事の発端は、YEデジタル様のご担当者からのこんなご相談でした。
「社内イベントやご挨拶まわりで配る、オリジナルの贈答箱を作りたいんです。中身は和菓子なんですが、使うシーンによって5個だったり7個だったり数が変わるんですよね。それに、2段に重ねてスリーブでまとめたいんです。社名も入れたいけど、あんまり主張しすぎず、上品にしたい…」
聞けば聞くほど、こだわりが詰まっている。「どうしよう…」と最初はひるみかけたS氏でしたが、製品仕様を思い描くうちに、ふとひとつの“答え”が浮かびました。
「仕切りを、可動式にすればいいんじゃないか…?」
通常、箱の仕切りは固定構造であることが多く、内容物に合わせて箱ごとサイズを変えるのが一般的です。ですがそれでは、在庫管理もコストも手間がかかるし、なにより「お客様の使い勝手」が犠牲になる。そこでS氏は、5個でも7個でも美しく、しかも安定して収まる“可変仕切り”の設計に挑戦することを決意しました。


仕切りの一部に“差し替え式”と“スライド式”の要素を取り入れ、部品を増やさず、強度を保ちつつ、内容量の変更に対応する構造を何パターンも検証。形状や厚みを微調整するため、設計担当とのミーティングは十数回にのぼりました。特に輸送時の揺れへの対策は、何度も試作しては揺らして検証するという地道な作業の繰り返し。
「実際に中に和菓子を入れて、思いっきり揺らしてみたんです。そしたら最初の試作品は、全部バラバラになっちゃって…」
S氏の顔が苦笑いでほころびます。そこから素材を見直し、仕切りを変更し、切り込みの角度を調整して“揺れ対策モデル”へ進化させていきました。

形も一緒に考える——縦型?横型?現場で選ばれた“見た目の美しさ”
設計段階でS氏がこだわったのは、仕切りだけではありませんでした。箱の“形”そのものも、より贈答にふさわしい見映えを追求しようと考え、当初から「縦型」と「横型」の2パターンを用意して提案していたのです。
「実際に和菓子を入れてみないと、バランスは分かりませんし、贈るシーンによって“渡しやすさ”も変わりますからね」
和菓子がきれいに並ぶか、ロゴが読みやすいか、持ったときの印象はどうか──お客様の目線に立ち、社内でサンプルを作成。それをYEデジタル様にも持参し、並べた状態で実際に見比べながら検討していただきました。
結果として選ばれたのは「縦型」の箱。和菓子を段差なくすっきり収められ、かつ、複数個を並べた際に美しい統一感が出るという点が決め手となりました。さらに、スリーブを通したときの見栄えも良く、手土産として手渡す際にスッと縦に差し出せる自然な形が、実用面でも高評価を得ました。

「自分たちでは縦横を深く意識していなかったので、こうして見せてもらえてすごく納得できました」
お客様と一緒に検討しながら決めていく姿勢こそが、S氏の営業スタイル。提案の“正解”を押しつけず、“最適”を一緒に見つける。その姿勢が、今回の箱の完成度をさらに高めた一因だったと言えるでしょう。
「色の違いなんて、言われなきゃ分からないよ」と先輩が笑いながら言ったとき、S氏は真顔で答えました。
「でも、配るのはYEデジタル様ですから。僕たちは“ぴったり”を渡したいんです」
そう言って、過去に納品されたYEデジタル様の既存ツールを取り寄せ、色味の差を比較検証。そこから逆算して色調整を加えた「再版用データ」を自ら作成し、印刷チームと連携して刷り直しを依頼。また、特色インクの使用を検討するほど細かく調整を重ねた結果、ロゴ本来の深い青がしっかりと再現されたスリーブが、予定通りの納期で完成したのです。
「こういう微調整にまで気づいて、きちんと対応していただけたことに、すごく安心感を覚えました」

YEデジタル様の担当者の言葉に、S氏はやっぱり少し照れながら「いえ、こだわりの部分でしたから」とだけ答えていたそうです。
「まじめさの中に頼もしさが光る」——若手営業マンの成長
最終的に完成した箱は、YEデジタル様の社風とビジュアルイメージにぴったりの、シンプルで洗練された仕上がり。スリーブでまとめられた2段重ねのスタイルは、贈答時の見映えも良く、実用性も抜群。箱を受け取った方からも「品がある」「社名入りでも控えめで上品」「中身の安定感がすごい」と高く評価されました。

YEデジタル様からは、こんな声をいただいています。
「和菓子の数が変わっても美しく収まり、しっかり固定されるのがとても安心です。2段にして渡せるのも便利で、シーンに応じて柔軟に使いたいという要望にしっかり応えていただきました。社名入りですが主張しすぎず、上品にまとまっている点が、お配りした方たちに特に好評です」
UI運動発表大会で語られた“もう一歩の工夫”
5月、UI運動発表大会当日。S氏は、緊張の面持ちでステージに立ちました。

「お客様の“こうしたい”をどうカタチにするか。そこに向き合った結果、今回の提案になりました。仕切りの構造も、印刷の細かい調整も、全部、最初のヒアリングの中に“答え”があったと思っています」
そう語るS氏の姿に、会場からは大きな拍手が送られました。
UEMURA INNOVATION AWARDは、ただの表彰ではありません。日々の業務の中で「もう一歩、工夫できるかもしれない」と誰かが思った小さなアイデアが、確かな“かたち”となって実を結ぶまでの軌跡を讃える賞です。
今回の受賞で、S氏は「もっとお客様の声を形にできる営業になりたい」と、新たな一歩を踏み出しました。
いつもは少し抜けていて、先輩にからかわれることも多いS氏ですが、いざという時にはきちんと結果を出す。そんな彼の姿に、きっと多くの人が「よし、自分もやってみよう」と思ったのではないでしょうか。
その一歩が、未来のUI運動につながっていくのです。

株式会社YEデジタル
IoT、AI活用によるスマート化で生産性・効率性・利便性を向上。IoTやAI(ディープラーニング)、ビッグデータ、クラウド等の技術と豊富な実績ノウハウを活用し、お客様の課題解決・ビジネスのデジタル変革を支援します。
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